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統合失調症になったら、仕事を続けられなくなってしまうのではないか。
そんな不安を抱える方も、いらっしゃるかもしれません。
私は25年前、統合失調症になりました。
3か月入院し、9か月休職して、職場に復帰させてもらいました。
当時の上司たちは、私が入院していた病院にも来てくれました。
そのときは主治医だけが応対してくれたのですが、後になって、主治医がそのときの上司たちの名刺を見せてくれました。
また、上司たちのつてで、かなり丁寧に診察してくださる医師に転院させてもらいました。
その主治医は、私が職場復帰するときに病院へ上司たちを呼び、復帰後に仕事を続けていくうえで、何が障害になりそうなのかを一緒に話し合ってくれました。
そして実際に、職場では、そのとき話し合ったことを一つずつ取り除いてくれました。
それから8年間、私は長い休みを一度も取ることなく、普通に仕事を続けさせてもらいました。
復帰して半年ほど経ったころには、実家の近くの田舎の支店に異動させてもらい、その後も、その近辺の職場に赴任させてもらいました。
今思えば、最初のころは、一人前より少しだけ少ない業務量に調整してもらっていたのだと思います。
その後、数年経って、職場が合わず、1か月だけ休むことになりました。
そのときは、当時の主治医が職場への配慮もあって、「適応障害」という診断書を書いてくれました。
当時の上司たちは、そんな私の将来のキャリアについても心配してくれていました。
「簡単な仕事ばかりしていたら、いつか組織の中でできる仕事がなくなってしまう可能性がある」
そんなことを、主治医にも私にも話してくれていました。
今振り返ると、私のことを長い目で見てくれていたのだと思います。
それからしばらくして、私は結婚しました。
夫は飛行機の距離の場所に単身赴任していたこともあり、私は4年間の育休を取りました。
そして復帰してみると、当時の上司たちが心配していたことが、現実になっていました。
職場を見回しても、自分にできそうな仕事が見当たりませんでした。
人間関係も、体力も、時間も、スキルも。
いろいろなものがなくなったような状態から、仕事を再開しました。
そういう弱っているときに、パワハラをする人は、抵抗できない人を標的にすることがあります。
私にとっては、とても苦しい時期でした。
あるとき、思いついて、人事に電話をしてみました。
「統合失調症なんですが、今から障害者雇用になれませんか?」すると、「わが社には、入り口には障害者枠はあっても、入ってからは一切差別いたしません!」という、なんとも不思議な回答が返ってきました。
それから私は、最後の力を振り絞って、職場で起きた「事実」を紙に打ち出し、上司に渡しました。
そして、その後1年間の休職をしました。
上司はその書類を読んだ途端、顔色を変え、「どこに異動したい?」と、ニコニコしながら言ってきました。
そして私は、職場の中でも、いつも人間関係のよい現在の部署に異動させてもらいました。
休職中には婦人科の手術も受けました。
その後、復帰して2年ほど経ったころ、薬の調整中に再発してしまい、また1年数か月休むことになりました。
そこで私は、思い切って、体調の回復と、これまでの環境の整理に時間を使いました。
長く働いていると、会社の中で、たまに「この人も同じ病気なのかな」と思う人に出会うことがあります。
再発してしまうと、とても大変そうな人もいました。
一方で、再発することなく、黙々と働き続けて、順調に管理職になっている人もいました。
そういう人たちを見ていると、統合失調症になっても仕事を続けていくためには、いくつかの条件があるのかもしれないと思います。
私の場合は、自分の体質に合う薬に出会えたこと。
そして、それを飲み続けることができたこと。
これは、とても大きかったと思います。
それから、無理をさせられすぎない部署にいられること。
これも、かなり影響していると思います。
会社は、統合失調症になったからといって、必ずしも仕事を続けさせてくれないわけではありません。
私自身、25年間の間に何度も休職しましたが、それでも仕事を続けさせてもらいました。
仕事をある程度普通にこなすことができて、周囲との関係にも恵まれれば、会社の中でそこそこ居心地よく生きていくこともできるのだと思います。
ただ、こうして振り返ってみると、結局のところ、かなり「運」に左右された部分もあったのだと思います。
いい主治医に出会えたこと。
理解のある上司に出会えたこと。
人間関係のいい部署に異動できたこと。
自分に合う薬に出会えたこと。
そして、再発しても、また戻れる場所があったこと。
いろいろなことが重なって、私は今も仕事を続けています。
一方で、統合失調症をきっかけに独立して、成功している方のブログを読んだこともあります。
そういう姿を見ると、「会社で働き続けることが、本当に一番幸せなのだろうか?」とも思います。
会社員として働き続けることも、独立することも、仕事をしないことも。
人によって、幸せな形は違うのでしょう。
統合失調症になっても仕事を続けられる会社とは、どんな会社なのか。
そして、自分にとって幸せに働ける場所とは、どこなのか。
25年間働いてきた今でも、私はまだ答えを探しているところです。

