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弱さが才能になる時代

統合失調症は特別な才能なのか?

私には分かりません。

しかし、統合失調症を正直にカミングアウトしたことで、家族の中でも、職場でも、奇跡が起きつつあります。

「配慮」という奇跡です。

多分、統合失調症で普通に役割を持って生きていくのが苦しいと伝えなければ、私は会社や家庭の歯車としての役割に耐えきれず、どこかで潰れていたと思われます。

普通の人が普通に社会で生きていくには、家族のために会社や家庭の中で、重い役割をこなしていかなければなりません。それは、人によって違いますが、会社ではそれなりの重い仕事だったり、家庭では働いて一家の家計を支えることだったり、子どもたちのために家事や育児をこなすことだったりします。

ところが、私にはそれらをこなす力がなくて、何度も体調を崩すようになってしまいました。

身体もメンタルもボロボロになってしまいました。

それなのに、あとからあとから、会社でも家庭でもやらなければならないことに押しつぶされる… 

それでメンタルがおかしくなりかけたときに、それまでひた隠しにしてきた統合失調症をカミングアウトして、弱さをさらけ出して生きていくという道を知りました。

それまで、私は自分は社会の歯車の1つになれなければ価値がないとどこかで思っていました。それができないことは自分のせいだと思っていました。

ところが、同じ統合失調症の人を見ていて、できないことがあるのは当たり前のことだと分かるようになりました。

できないことを無理にやろうとして苦しんでいたのをやめて、できることだけして、あとは、やれる人に頼んで、私でもできることをするようにしました。

確かにそれは、会社の中では胸を張れない立場です。家庭の中でも、母親とは恥ずかしくて言えない立場です。

それでも、生きることはとても楽になりました。

気がつくと、私は背負おうとしていた社会の歯車としての役割から、外してもらっていました。

それは、胸を張れることではありません。

でも、そのおかげで、私は生きるのがとても楽になりました。

弱さをさらけ出して、できることや、やりたいことをさせてもらう生活で、私のメンタルも大分回復しました。

特別な才能がなくても、配慮がもらえる…その分、自分のできること、好きなことにパワーを集中できる。

私はいつの間にか、前よりも夢を追える立場になっていました。

確かに、これからの時代は、統合失調症は才能になるのかもしれません。

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