精神疾患になったら、特に統合失調症になったら、子どもは産まない方がいいという書き込みをたまに見つけます。昔はもっと多かったけど、最近は減りましたね…
そう言う人の意見は、つまり、子育てはとても大変で、精神疾患のある人ではまともにやっていけないのだろうと思われているのだと思います。そういうことを言う方こそ、自身の育ちや子育てで大きな問題を抱えていたのだろうと思います。
私はかつて、転勤族の夫についていって、知り合いのいない土地で2人の子どもを4年間育児しました。
とても一人ではできませんでした。
でも、そう思う度に、母に言われます。
「病気でない人だって、育児は大変なんだよ。皆、親に助けてもらっているよ。」
その言葉と母の助けのお陰で、子どもが産まれてから、3時間おきの授乳は、お昼は私が、夜は母やいるときは夫がやってくれました。
2ヶ月くらい経って、子どもの睡眠時間がまとまってきたら、子どもを連れて夫のところに行って、昼は一人で、夜は二人で育児をできました。
上の子を妊娠中、先に子どもを産んだ友人が「はなちゃん!!旦那さんにはうんちのオムツ替えもやるのが当たり前だと最初に教育しておきな!最初が肝心だよ!そうしておけば良かった~😭」と言ってくれました。
そこで、薬をのんでいて、ミルク育児だったのもあって、夫にはうんちのオムツ替えもミルクの授乳も全部覚えてもらいました。ついでに、ミルクやうんちやオムツ替えの時間を書いたノートを作って、お互いがいないときでも子育ての情報を共有することにしました。
産んでみて分かったのですが、夫はめちゃくちゃ子煩悩で、育児をとても喜んでやってくれました。
お陰で私は安心して通院のときも夫に任せて一人で出かけられました。
上の子はよく寝てくれて、毎日3時間お昼寝をしてくれて、その間に1時間で家事を終わらして、1時間で統合失調症と妊娠・出産・育児に関するブログを書いて、残り1時間で読みたい本を読む読書タイムを謳歌しました。
下の子を産んで、状況が変わりました。下の子は一日中泣いている、気むずかしくて育てにくい子でした。
上の子と下の子は夜の睡眠時間が合わず、本当は8時間の睡眠が必要なのに、ものすごい睡眠不足が続きました。下の子が7ヶ月目くらいに、疲れきって下の子を次の年に認可保育園になる予定の無認可保育園を見つけて預けて、上の子はプレ幼稚園に入れてしまいました。それでやっと息をつけました。
今思えば、統合失調症の育児に偏見を持っていたのは自分自身で、あのときは素直に主治医に診断書を書いてもらい、堂々と二人を認可保育園に預けてしまえば良かったと後悔しています。そうすれば、私も夫も夜中の授乳にももっと楽に対応できたろうし、余裕をもって生活できたろうと思いました。偏見が一番の敵です。ちなみに、私は個人的に、育てにくい子どもをもった場合には、理由を問わず、保育園を利用できたら、精神疾患に関わらずこんな苦しみを味あわなくて済んだろう人達はたくさんいると思っています。あの頃入った子育てのコミュニティでは疲れきったお母さんたちがよく炎上をおこしていました。スキゾの子育てグループに入って、あまりの平和さに驚きました。統合失調症は関係なく、支援の手が行き渡るとこんなに平和になるのだと驚きました。
その後私は仕事に復帰したくて、保育園と親に助けてもらって、実家に小さな子どもを2人連れていき、親と一緒に育児しながら復帰しました。
私は一人では育児しないで、親や色々な専門家の助けを借りて育児しました。
育児に限らず、何でも1人でできる人は少ないです。人には皆、得意不得意もあるし、一人ではやらない方がいいこともあります。育児なんかはその典型で、たくさんの人と関わって、特にそれを専門に勉強してきて経験を積んできた人達の助けを受けることは、子どものためにもいいことなのではないかと思います。
ちなみに、私は上の子の育児をしているとき、毎日1時間の読書タイムに、近くの本屋さんで売っていた育児の本を、ほとんど買って読み尽くしました。その知識が、今も役に立っているような気がします。人に聞くにも知識があるのとないのでは違います。
子どもによっては、そういう余裕が取れない子もいます。そういうときは、本当は、育児の専門家や保育士さんたちの助けを受けて、自分の時間を確保できる世の中になったら皆幸せに育児できるのではないかと思います。
そうして、育児をしてみてから、仕事でも何でも、自分が1人で何でもこなすことは必要ないのだと思うようになりました。
違いを認め合い、助け合うことは、でも、助ける方は大変ですよね。
助け合うことで、皆が幸せになる世の中になるといいなあ、と思います。