精神科探しに走り回った日々(その1)

統合失調症になってから20年経ちました。これまでお世話になった精神科の先生は両手で数えられないくらいいます。一瞬お世話になった先生を入れると両足もいけるかもしれません。

患者の私から見ると、精神科医といっても、それぞれに得意分野があるように見えました。

例えば、最初に入院した精神科病院の先生は、統合失調症の陽性症状であっちの世界に行っていた私を入院後わずか1ヶ月で正気に戻してくれました。それからは自覚症状としては幻聴が聞こえたことはありません。

次にお世話になったH先生は、患者を社会復帰させることにおいては、当時右に出るものはいなかったのではないかと思います。投薬治療も上手で、私は働きながら、様子をみてどんどん薬を減らしてもらいました。何かあったときは、職場と話し合うことも、患者の意見を聞きながら進めてくれました。診断書や紹介状も、当時の精神科医は、患者に見せないで書いてしまう人が多かったようですが、H先生には診断書の中身も全て読み上げてくれて、「これでいいですか」と確認されて、その場でだしてもらっていました。

統合失調症になって11年くらいは、最初の3ヶ月を除いてずっとH先生にお世話になっていました。仕事をしながら治療も平行して行うには、H先生のように何もないときは15分、何かあったときは1時間診てくれる先生は貴重でした。こんな先生はそう簡単に見つからないだろうと、H先生が病院を変わったら私も一緒に転院してついていきました。

あるとき、結婚して、すぐに妊娠して、遠くに転勤してしまった夫に着いて行くためにH先生から離れなくてはならなくなってしまいました。

夫の勤務地に行って、子育てしながらメンタルクリニックに通い続けました。そこでの先生は、その地域でとても有名な先生がたまたま独立したと、引っ越してから3人の人に聞いて、受診してみました。

そこで現実を知りました。普通に会話ができれば、診察は3分。産婦人科への紹介状を書いてもらうには2週間待ちで、もちろん紹介状の中身は見せてもらえませんでした。そんな口をはさむ余裕もありませんでした。その土地の精神科の先生は、その土地で有名な力のある先生でも、患者の立場に立ってくれているかというと、H先生が良すぎたのだとは思いますが、そんなに親身には感じられませんでした。

そのとき、私は2歳差の慣れない土地での育児でボロボロになってしまいました。あるときは疲れきってスマホが5センチも持ち上げられなくなりました。そういうことを言っても、その先生は、普通に会話している私に変わらず3分診察で同じ薬を処方し続けました。

ボロボロになって、仕事復帰を理由に実家に帰ったら、今度はH先生の勤めていたクリニックが閉院していました。しばらくは他の先生にお世話になっていましたが、あるとき、職場でパワハラにあってしまいました。その先生は、私に「この病気の人は、しなくてもいいなら仕事をしない方がいいんだよね」と言っていて、私の訴えを聞いても自業自得と言った感じで、このままではまずいと本能的に思いました。

私はかつてH先生のいたクリニックに併設された、当時はまだ閉鎖されてなかった施設に電話して、先生はまだどこかで診察をしていることを教えてもらいました。それから、ネットで検索して、車で片道1時間、電車で2時間の大都市のクリニックにH先生がいることを突き止め、そのクリニックに電話して、5年ぶりくらいにH先生に再会できました。

長いので続きはまた今度。

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