復帰にあたって環境を変えたこと

20年前、初めて統合失調症を発症したとき、私は窓口のお仕事をしていました。

当時は窓口の席に自分の机があったため、お昼の間、私の席に当番になっている人が座っていて、給湯室でお昼を食べるしかありませんでした。

その給湯室では、隣の部署の人と一緒にお昼を食べていたのですが、そこの若い人がいじめられていて、「あいつ今頃部屋で首つってんじゃない」なんてえげつない言葉が聞こえてきたりして、聞いているのも辛く、かといって、他に食べる場所も知らなかったので、そこで食べていました。

そのうち統合失調症を発症してからは、その部屋に入るのも嫌になって、一人で屋上や車のなかで食べるようになりました。

私自身は実はいじめられてなかったと思うのですが、それでも居心地はよくありませんでした。

休職からの復帰前に当時の職場の上司が、私の机を窓口からずらしてくれて、窓口には共用の机を置いてくれました。

お陰で私は復帰してからは、お昼休みも自分の机で食事ができるようになり、給湯室でお昼を食べないで済むようになりました。

それから、当時は車で40分かけて女子寮から職場に通っていましたが、思いきって職場の近くにアパートを借りて一人暮しを始めました。

これは効果てきめんで、プライバシーが確保されたアパートに住むことで落ち着けて、毎日よく眠れるようになり、とても楽になりました。

職場の近くなので、お昼も時間があるときはアパートに帰って、一人で食べられるようになりました。

長かった通勤時間もかなり短くなり、運転で緊張している時間が少なくなりました。

復帰前は、女子寮や職場の若手の女子で、度々行事がありました。その度にお互いの部屋に皆が集まるので、仕事で疲れきっていたのに部屋の掃除も気が抜けませんでした。

職場復帰してからは、私は同年代の女子の集まりに参加するのをやめました。声もかからなくなったのでほっとしました。

土日もアパートで一人で好きな音楽を聞いたり、ビデオを借りてきて観たりができるようになり、落ち着いて生活できるようになりました。

私の場合、職場サイドの配慮や自分の気持ちに正直に環境を変えたことで、統合失調症になっても仕事を続けていけたのだと思います。当時の職場には、まだ配慮できる余裕があったのも良かったのだろうと思います。

病気を治すのにも、治ってから再発しないで暮らしていくにも、環境を整えることは大切です。

今の環境で辛くてたまらないことがあるのなら、どうしたらそれが楽になるのか、考えてみてください。必要なら思いきって環境を変えてみるのもいいのではないかと思います。

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