夫の赴任地でのワンオペ育児(統合失調症の妊娠出産育児体験記19)

下の子を出産して2か月くらい実家でお世話になって、それから2歳前の上の子と生後2か月の下の子を連れて夫の赴任地に行きました。上の子にとってはここが住み慣れた我が家だったので、アパートに着くと嬉しそうでした。

アパートに着いた段階で私は疲れ果てていました。

地縁のないこの土地で昼間はワンオペ、夜は夫と二人での育児が始まりました。

下の子のときも産後に助産師さんが家庭訪問してくれる制度がありました。

私は、今回は地元ではなく、夫の赴任地で家庭訪問をお願いしていました。

上の子のときと同じ助産師さんがきてくれました。

その助産師さんを通じて保健センターに統合失調症と伝えてあったせいか、今回はかなり色々なことを根ほり葉ほり聞かれました。

その助産師さんが悪いわけではなく、ただ保健センターの保健師さんたちに頼まれただけなのはわかっていたのですが、育児には関係のない私の仕事の状況や具体的な職種まで聞かれてだんだん腹が立ってきてしまいました。毎日心が休まる暇がないなか体力をすり減らしていた時期なので我慢ができずかなりお世話になった助産師さんにも関わらず、私の回答がだんだんと冷たくそっけなくなってしまいました。

助産師さんが帰る頃には怒らせてしまっていました。

助産師さんは私の住んでいるアパートを出たところで

「何が統合失調症だから注意してみてきてね、よ!普通の人よりしっかりしてるじゃないのよ!」

とブツブツ言いながら帰っていきました。それまでの信頼を失ってしまったのは何となくわかるのですが、そのときは自分を止める元気もありませんでした。

このことで私は慣れない土地での育児の足掛かりになる人とのつながりを自ら断ってしまいました…

その頃、私が統合失調症で入院したことも知っていた友人が臨床心理士になって児童相談所で働いていました。

友人は子どもを連れて夫の勤務地で育児する私に

「はなちゃん、転勤族って育児が大変になりやすくて問題が起きやすいから気をつけるんだよ」

と言ってきました。友人は私の統合失調症のことは知っていましたが、統合失調症だから気を付けるようにはなぜか言われませんでした。

上の子だけの育児のときは1日3時間お昼寝をしてくれましたが、下の子は不定期に30分くらい寝ることはあっても、一日のほとんどの時間をものすごい勢いで泣いて過ごしていました。

それに合わせて上の子も赤ちゃん返りが激しくなり、絶え間なく号泣する2人の育児で心休まる時間はなくなりました。

当時の1日は統合失調症の私には壮絶でした。

忙しすぎて外出できなくて、上の子がやっと寝るのが夜中の12時。夜中の2時頃下の子のミルクで起こされる。(でもここは夫がよく替わってくれました。)

下の子が朝の4時とか5時とかに起きる。

それから、育児に関する何かをず~っと下の子が泣き止まないなか、やり続ける。気がつくと、その日はじめて自分の口に何かを入れたのは午後2時ごろだったこともありました。

そんな生活を7ヶ月くらい続けました。

私は笑うこともできなくなり、ある日、疲れきってスマホが膝より上に持ち上げられなくなりました。

やっとのことでカタコトのメールを夫と母に打ちました。

夫は半日だけ仕事を休んできてくれました。母は生まれてはじめて一人で新幹線を乗り継いで助けにきてくれました。

私は息をするのも苦しくて、それでも何とか子どもにだけは当たらないで、子どもが笑ったときは必死に作り笑いで返していました。

夜は夫が寝かしつけをしてくれました。下の子がなかなか寝ないとき、夫は別室に乳児の下の子を連れて行って、夜遅くに寝かしつけてくれました。そのときに「ちゃんと寝ろ。生きていたかったらな。」と下の子に言っていたのが聞こえてきて、夫にそう言わせてしまう自分が情けなくて涙がでできました。

私は自分の実力以上のことをしてしまったんだ!

気がついたときはすでに遅く、ボロボロになった心と身体で、どうやってこの小さな命を守っていくか回らない頭をフル回転させて考えていました。

毎日夜になると、涙が止まりませんでした。

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