産院さがしが大変だった(統合失調症の妊娠出産育児体験記10)

前回、育休中に二人目を産むことを決めたところまで書きました。

二人目を産もうと考えると色々と問題がでてきます。

まず、夫の赴任地での産婦人科をどうするか?

それから、出産のときは里帰りするか夫の赴任地で産むか?

里帰りする場合、また家から1時間半のあの大学病院で産むか?

最初、実家で里帰り出産するにはあの大学病院以外の選択肢を思いつきませんでした。

私は悩んだ末に自分だけでは判断できないと考えるようになって色々な方に相談を始めました。

対価も払わずに相談することを申し訳ないと感じましたが、子どもをいつも見ているときで余裕がなかったので「社会資源」と言われるものを片っ端から利用させてもらいました。

夫の赴任地での産婦人科は最初は大学病院にしようかと思っていました。自分の地元ではそこでしか産めないと言われていたからなんですが、そこはたまたま医療事情が私の地元よりよく、産婦人科と精神科の両方がある総合病院が何か所もありました。

その中のどこにするか迷いました。当時、ネットも含めて口コミを調べていて、なかなか「ここにしよう!」というところが見つかりませんでした。色々検討した結果、夫の赴任地では精神疾患に理解のありそうな先生のいる小さな婦人科クリニックにお世話になることに決めました。

ここまで決めるのにも色々な方に相談させていただいて、自分だけではとてもたどり着けなかったと思います。支援者の方には本当に感謝してもしきれません。

まだ妊娠もしていないにも関わらず、その婦人科クリニックに受診して妊婦検診だけお世話になれるか聞いてみました。その先生は快く了解してくれました!

次に、里帰り出産での産院をどうするかを考えはじめました。

私は夫の赴任地で二人だけで出産することは初めから考えていませんでした。

夫のフォローだけで赤ちゃんを連れながら出産するのはまず無理だと思いました。

そのとき色々事情があって、地元の大学病院ではない病院で産めないものか検討していました。私が上の子を出産したときはその大学病院で「産科と精神科が両方あるのはここだけなので、県内の精神疾患の方は皆さんうちで出産されているのですよ。」と言われていました。色々な方に相談していて「本当に地元ではその大学病院しか受け皿がないのか?」という疑問がでてきました。

夫の赴任地から私の地元までは普段なら飛行機で帰るくらいの距離なので、まずは地元の大きな総合病院に片っ端から電話で聞いてみました。

ほとんどの病院には「うちでは精神疾患(統合失調症)の方は受け入れできません」と言われました。

しかし、実家から車で1時間以内のある総合病院に電話したところ、事情を話したら電話口で20分くらい待たされましたが「とりあえず来てください」と言ってもらえました。

その時は「受け入れてくれるかもしれない!」と天にも昇る気持ちで夫にそのことを話しました。平日に受診するため、夫にその日の仕事を休んでもらいました。その日に合わせてその総合病院の予約を取らせていただいて、それまでに夫の赴任地でかかっていたメンタルクリニックの先生に紹介状を書いてもらって、一泊だけ赤ちゃんを夫に預けて地元に一人帰らせてもらってその総合病院を受診しました。

どきどきしながら待合室で受診できるのをまっていました。

順番がきて、地元の総合病院の産婦人科の先生の診察になりました。

その先生は開口一番「君は何の病気なの?」と言ってきました。

よく見ると、夫の赴任地の精神科の先生は、当時統合失調症への偏見が強かったのを配慮してくれたのか紹介状に別な脳の病気(そういう名前で誤診されたことがありました…)と書いてくれていました。

その滅多にない難病?っぽい病気の紹介状を見て、その総合病院の先生は「うちではこんな病気の方は受け入れられないんだけど」と言ってきました。私は慌てて「いえ、実は統合失調症なんです。多分、偏見が多いから先生が配慮してその病気として診断されたこともあるから(多分誤診だったけど)そう書いてくれただけだと思います。」と言いました。

そうしたら、その産婦人科の先生はすかさず「統合失調症だったらなおさら、うちでは診れません。」と冷たく言われてその診察は終わりました。

あっけにとられて会計をすませ、帰り道では泣きながらその総合病院を後にしました。

「統合失調症では受け入れられない」なら、せめてはじめからそう言ってもらいたかった…

電話で本当は言いたくない個人情報をできる限り丁寧に説明して、20分待たされて「とりあえず来てください」と言われたから夫にも仕事を休んでもらって、子どもも頼んで、飛行機代も電車賃もかなりかけて、実家では親にお世話になって、やっと受診して「統合失調症ならはじめから診るきはない」って、なんだよ!

でも私は統合失調症の一患者です。病院とケンカしたところで、たちの悪い医師に当たれば「こいつは病気の症状でこんなことを言っているだけだ。」と言われたって簡単には反論できない立場にあるのが統合失調症患者です。医師との立場が違いすぎるのです。

昔、友人の飲み会に誘われたときにたまたま友人の友人が精神科の女医さんで、私が統合失調症と言わずに話したことがあります。その女医さんは「私は社会的にとても強い立場にあるから…」と言っていました。頭のいい医師たちはそんなこと百も承知で毎回診療にあたっています。

統合失調症をもっていると知られると、時々自分の正当性を自分だけでは証明できないことがでてきます。そんなとき精神科の主治医をはじめ医療者の方が味方になってくれれば助かることもあるし、たちの悪い精神科の医師に当たれば病気でなくても地獄に落とされる可能性もあるのが統合失調症をとりまく現実だと思うようになりました。

泣きながら夫の赴任地のアパートに帰って、それからも地元の産婦人科を探し続けました。結局、ある総合病院で、精神科はなくても統合失調症でも出産を受け入れてくれるというところを見つけました。もう一か所、個人経営の産婦人科でも受け入れてくれるところを見つけました。

今度は個人病院にしてみようかと思い、夫の夏休みの帰省の時期を利用して受診して、妊娠したら受け入れてもらえるか聞きにいきました。

その産婦人科では、はじめに電話したときに「統合失調症ですが診てもらえないでしょうか?」と言ったところ「うちの設備を壊さないでくれるならいいよ」と言われました。そのうえで上の子を出産したときも特に再発もしなかったことなどを話し了解してくれました。

地元での精神科も探さないといけない事態になっていました。

ずっとお世話になっていたH先生のいたクリニックが閉院になってしまっていて、H先生の所在が分からなくなっていました。(ずっとあとになって電車で地元から2時間以上かかる大都市のクリニックに勤務されていることが分かりました。)

ネットを目を皿のようにして探して、いくつかのメンタルクリニックに候補を絞って電話してみました。

「統合失調症で里帰り出産のときに診てもらえるところを探しています。」と言ったら、「うちは中程度の患者さんまでしか診ていないクリニックです!統合失調症のような重症の方は診られません!」とはっきり言われたこともありますが、最初にはっきり言ってもらえたのでそれ以上深入りしないですみました。

それから良さそうなメンタルクリニックを見つけました。そこに事情を話して了解をもらい、数か月後にその先生にかかりました。その先生には「出産のときに万が一再発したら大きな精神病院に入院してもらうようになるけど、いい?」と聞かれましたが、了解したところ、何もなければその先生が里帰り出産のときの主治医になってくれることを了解してくれました。

それからおもむろに二人目の妊活を始めました。

前回の反省をふまえて、二人目は夫の赴任地のメンタルクリニックの主治医に相談して、エビリファイを半分の6mgまで減らしてから妊活しました。眼球上転の副作用止めのアーテンも出産までは根性で使わないで過ごしました。育休中で仕事をしていなかったのでそれができました。

統合失調症を抱えての病院探しは確かに大変だったけど、結果的に色々なことを学んで、経験値は増えました。冷たい態度をとるところにはお世話にならずに済みました。悪いことばかりではないと思います。

今回も長くなってすいません<m(__)m>

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