主治医を変えたときの話(その4)

H先生亡き後お世話になっていた先生に「統合失調症」と書かれていない診断書がどうしても欲しいと伝えたら、信頼関係が崩れて一番大変な時期に転院をするような事態になってしまった。

もっている紹介状は1通。

患者のことを考えてくれない医師のもとに転院したら、もっとひどい目に合うのが簡単に想像できた。

何とかして患者の味方になってくれる先生を探せないものか…

前回の記事で、思いついて県内の30件の精神科病院やメンタルクリニックに「先生と患者にも相性があるからまずは紹介状なしで診察を受けさせていただけないでしょうか。その先生にお世話になると決めたら紹介状を持っていきますので。」という内容の電話をひたすらかけた。

ちなみに、人気のありそうなクリニックだと「現在、予約でいっぱいで新患の受付はしておりません。」と答えるところも何件かあった。こういう現象は県内のメンタルクリニックでよくおきていた。そのうち、そういったクリニックでも簡単に人気がなくなったりする。混んでいるからといって必ずしもいい病院、自分に合う病院とは限らない。当時2ちゃんねる掲示板とかを継続的に見ていたのでそれはわかっていた。

30件ほどかけた精神科のうち、初診で紹介状なしでみてくれると言ってくれた病院は3件だった。

最初の2件はいまいちであきらめた。

実は、他にも「紹介状がないと3,000円余計にお金がかかります」とホームページに書かれていたメンタルクリニックもあった。紹介状のあるなしで料金に差をつけるところは果たして親身になってくれるのだろうか、と思いながらも一応電話をしてみた。事情を説明したら、「やはりあなたの場合は紹介状がいります」と言われて終わった。

3件目に見つけたのは大きな総合病院の心療内科だった。

そこは毎週1日だけ心療内科を開設していた。

ダメ元で電話して事情を話したら予約が取れた。

家から1時間半以上かけてその病院に行った。

その先生は「あなたの事情なら、私は役に立てると思う」と言ってくれた。

「ただ、この総合病院には週に1日しか来ていないので、あなたの場合は私のいる精神科病院に通った方がいい。そこなら私は週3日勤務しているし、何かあっても他の先生もいるから。」

その精神科病院は家からさらに遠く、同じ県内だけど車で行くと軽く2時間はかかりそうだった…。

私は慣れない運転にはとても気を遣うし緊張すると眼球上転になりやすい。

どうしよう…

でも、他にいい選択支が思いつかない…

その先生にはお礼を言って、その精神科病院に先生がいらっしゃる日に〇をつけてくれたパンフレットをいただいて帰ってきた。

通えそうな県内の病院にはあらかた電話をかけてしまった。

慣れない道を2時間かけて毎回診察に行けるのか自信がない。

私はまだあきらめきれず、県内のメンタルクリニックを検索したり、2ちゃんねる掲示板を読み漁ったりしていた。

そのとき、2ちゃんねる掲示板に「都会の○○線沿線はメンタルクリニックの多い競合地帯で、そこにはいい病院が多く存在する」という情報を目にした。

そのあたりに行くのには電車で2時間かかった。

それでも、H先生の最後にいた病院よりは近かった。H先生の亡き後に受診していたメンタルクリニックよりはとても近かった…

県内の精神科に車で2時間かけて通うより、大都市の病院に電車で2時間かけて通う方が負担が軽いかもしれない…

次は検索範囲を都会にまで広げて探した。

何か所か検索してみて、駅からの便が良さそうでグーグルの口コミを操作している感じがしないメンタルクリニックに目星をつけてさっそく紹介状なしで受診できないか電話してみた。

「いいですよ」

あっさりと了解してもらった。

初診で何も情報がないと先生も困るだろうからと、これまでの病歴をまとめて受診した。

事情を話すと、診断書に統合失調症と書かないでくれるとも言ってくれた。

「ただし、うちは診察が普段は一人10分までです」

それは確かに大変そう、と思ったが他に選択肢はない。

「先生、よろしくお願いします」

と言って、次の診察日に紹介状をもっていってその先生にお世話になることを決めた。

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