私が統合失調症を発症したのは、大学を卒業して社会人2年目の初夏です。
その前から慣れない仕事と車で40分の通勤とで疲れ切っていました。
そのころの私は就職したことを素直に喜べなくて、いつも辞めたいとばかり思っていました。
実家が自営業だったこともあり、「組織で働く」ことがどんなことなのかもよくわかっておらず、自分も、誰も信用できなくて孤独に苦しんでいました。
いつの頃か忘れましたが、いつからか職場の皆に悪口を言われている、と感じるようになっていました。
元から自分すら信用できないのに、周りの誰もが自分の悪口を言っている(と感じている)状況はかなりダメージが深く、給湯室でみんなと昼ごはんを食べていたのに、それもできなくなり、いつしか屋上で一人で食べるようになりました。一人でいるとちょっとほっとしました。
毎日、(自分の感覚としては)ものすごい非難の嵐の中にいたので、一人になれる場所をさまよって探していくような毎日でした。
そのうちに、さらに「盗聴されている」という被害妄想が加わりました。
そのころ、社員寮に住んでいたため、家に帰っても生きた心地がしなかったのを覚えています。
どこにいてもやすらげない。生きた心地がしない日々が続きます。
そんなある日、職場で「うつ病チェックリスト」なるものが配られました。自分でやってみると全てに当てはまる…
「そうか、私はうつ病だったんだ!」
そう思い立った私は、休みを取って通勤途中にあった大きな精神科病院に受診しました。
多分、幻聴が聞こえ始めて1か月もたっていなかったのではないかと思います。
すでにそのころ違う世界に踏み込んだような感覚でしたので、あのころの記憶はあまり残っていません。
精神科初診となったそのとき、自分の生い立ちのようなものをひとしきり話して、先生の診察となりました。
その際、私は、
「盗聴されている」
と青い顔で話しました。
先生はすぐに服薬の指示をだし、さらに「診断書を書くから1か月休みなさい」と言いました。
ここで、多分統合失調症(当時は精神分裂病とよばれていました)と診断がおりたことと思われます。
自分はそのときいっぱいいっぱいで気づかなかったけど…
この時、先生の言うことを聞いて、素直に服薬して休んでおけば、多分、そんなに大事に至らなかったと思うのです。
しかし、当時の私は、社会人が1か月も休んだらクビになってしまうと思い込んでいました。
「先生、休めません!」
と、先生のすすめを断り、入院までの半年以上の月日を、苦しい幻聴のなかで過ごすことになりました。
この頃の自分に言いたいです。
「休むのは病気になったら当たり前のことなんだよ!」
と…